この記事では、私が社会人5年目で資産1億円に到達するまでの過程を、資産形成ロードマップとして振り返ります。
記事の最後には、資産形成において個人的に重要だった考え方もまとめています。
投資を始めた理由
大学生の頃、当時ブームになっていた仮想通貨に参入したことが、私の投資の原点でした。
最初は知識も浅く、取引所と販売所の違いも理解しないまま購入し意味もなく高値掴みをしたり、ICOに参加し上場後即損失を出したり、草コイン投機やハイレバレッジ取引で資産を大きく減らしたりと、典型的な失敗を数多く経験しました。暴落によって資産が一時4分の1まで減少したこともあり、市場の厳しさとリスクを身をもって学びました。
一方で、この時期に市場サイクルやボラティリティ、投資判断の難しさ、トレードの才能は自分にはないことが分かる程度に色々経験できたことは、その後の資産形成において大きな土台になりました。
仮想通貨市場(ビットコイン)の暴落と回復のサイクルを経験する中で、市場全体の流れを理解する重要性を実感しました。特に、市場のパイが縮小していく中で利益を出すのは至難の業であると感じました。同時に、日本の人口減少、高齢化、国際競争力の低下、財政不安などを踏まえ、今後日本という国の市場のパイが縮小していく可能性が高いのではないか、と予想し自衛の意味でも早期に資産形成を進める必要があると考えるようになりました。
また、当時医学生だった自分にとって、病院実習などから、時間の拘束が大きく自分のペースで仕事や生活を組み立てにくい医師の現実を目の当たりにし、「一生はこの仕事はできない。40歳を超えてバリバリやれるビジョンが見えない。ある程度資産を築いたら、働き方を変えよう」という思いも資産形成への意欲を増幅させていました。
24〜25歳|社会人1年目|資産形成スタートダッシュ
医師国家試験合格後、初期臨床研修医として勤務を開始。社会人開始時の貯金残高は30万円と昔触っていて放置していた仮想通貨(BTC、ETH、BNBなど)が少々といった状況でした。
世界的な金融緩和による通貨価値の希薄化を意識し、本格的に投資を開始しました。当初は株式投資も検討しましたが、当時もっとも理解が深かったビットコイン(BTC)への集中投資を選択しました。
集中投資にはリスクもありますが、若いうちであれば失敗してもリカバリー可能であること、インデックス投資だけでもゆっくりと資産は増えるだろうが、一般的に考えて普通じゃないことに大きなリターンが眠っている(失敗する可能性が高いと揶揄されるとしても)、ビットコインの大衆の理解度と自分のビットコインの価格上昇への自信が乖離しているとの思いもあり、自分が最も理解している領域で大きなリターンを狙う方針を取りました。
実家暮らしという生活コストの低さも活かし、給与の大半をビットコインへ投資。さらに一時的なレバレッジ(借入、完済済み)も活用しながら社会人1年目の冬には4BTCを保有しました。
ビットコイン価格の上昇により、社会人1年目終了時には資産は最大約2,500万円に到達。資産形成の初速としては非常に大きな結果となりました。
25〜26歳|社会人2年目
投資収益が労働収入を大きく上回る局面を経験し、労働への価値観に良くも悪くも変化が生まれました。具体的には一時的に労働意欲が減少し、お金をガツガツ稼ごうという意欲が若干減少しました。まあ、ビットコインが下落していくにつれて労働意欲は改善していくわけですが。
仕事に関しては、将来的な専門医キャリアも見据え、希望する専門分野の勉強は継続。この時期にふと思い立ちFP2級も取得しましたが、これについては資格そのものよりも、お金に関する基礎知識を体系的に整理する機会として有意義だったと感じています。
ビットコイン価格は徐々に調整局面に入りつつも、継続的な積立投資を維持。社会人2年目終了時点で資産は約2,700万円となりました。社会人1年目終了時点から総資産が変わっていない状況でしたが、ビットコイン一極投資では普通に起こりえることですし、そもそも1年目がうまく行き過ぎたのでそんなものかと思ってました。
26〜27歳|ビットコイン暴落期
専門科へ進み、仕事はより多忙に。休日も他病院に勤務したり、当直中に学会発表のプレゼンを作ったりとバリバリ働いていました。
市場ではFTX破綻なども重なり、ビットコインは大幅下落。資産額は大きく減少し、精神的にも厳しい時期でした。
しかし、技術的背景や長期的な成長可能性への確信から、売却ではなく継続保有を選択。生活費と必要経費を除く大半の収入を引き続きビットコインへの購入へ回しました。BTCの保有量の増加はこの年度が、1年目に次いで多かったです。
社会人3年目終了時点の資産は約2,400万円。資産的には後退しましたが、この時期の継続投資が後の大きなリターンにつながります。
27〜28歳|NISA開始と分散投資
ビットコイン市場が回復基調に入り、ETF承認期待などを背景に再び上昇局面へ。
そのため、この頃より一極集中から徐々に分散を意識し、新NISAを活用したインデックス投資、株式投資も開始しました。
結果として、ビットコイン上昇の恩恵を受けつつ、資産形成の安定性も多少向上。
社会人4年目終了時には、資産は約9,000万円に到達しました。
28〜29歳|資産1億円達成
ビットコイン保有、新NISA、株式投資を組み合わせながら、社会人5年目の秋に資産1億円を達成。
資産1億円という大きな節目を迎えたことで、単なる資産拡大だけでなく、「この先どう生きるか」「働き方をどうするか」という人生設計そのものをより深く考えるようになりました。
資産1億円達成後に働き方や生活をどう見直したのかは、プロフィール記事 『資産1億円で、働き方を減速させた話 | nagiの投資と生活ブログ』 で詳しくまとめています。
資産形成で大事だったこと
振り返ると、資産1億円に到達するまでには、値上がり益はもちろん重要でしたが、それだけではなく、複数の要素を着実に積み重ねてきたことが大きかったと感じます。
入金力
資産形成の土台として最も重要だったのは、継続的な入金力でした。
医師としての労働収入(おそらく医師の若手の年収としては高くないのですが)を最大限活用し、生活費を抑えながら、給与の大部分を投資へ回すことで元本を急速に積み上げました。特に資産形成初期は、「どれだけ市場に資金を投入できるか」が資産拡大スピードを左右します。
私は社会人の最初の5年間のうち、給料の手取りの8割以上を投資に回しました。
どの資産形成ハウツー本でも書かれていることですが、労働収入の大半を投資に回すことが資産形成加速の必須条件であると考えます。もちろん、今の人生を充実させることも大事なので、どこまで切り詰めるかは人それぞれです。私は少しやりすぎでその時々をややないがしろにしていたなあ、と今となっては少し反省しています。
初期の大胆なスタートダッシュ

投資はスタートダッシュも重要です。
この画像は、40年間、毎年同額を投資し、年利回り7%で運用したと仮定したときに、毎年の投資額が最終的な資産価値に占める割合を示したものです。(引用:THE WEALTH LADDER 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略 ニック・マジューリ著)
ここから分かることは、1年目の投資額が最終資産の7%を占めるだけでなく、最初の10年間の投資額が最終資産の半分を占めているということです。言い換えれば、最初の10年の投資額が、残りの30年間の投資額よりも最終的な資産価値に大きな影響を与えます。
そして、これは利回りが7%での話でしたが、ビットコインのように利回りがさらに高い資産だと、複利効果は極端に高くなるため、初期の投資額の重要性は圧倒的になります。計算はAIに依頼しましたが、例えば利回りが30%とした場合、40年間・毎年同額投資・年利30%の場合、
- 1年目の投資額:最終資産の約 23.1%
- 最初の5年間:約 73.1%
- 最初の10年間:約 92.7%
- 最初の15年間:約 98.0%
と、よりスタートダッシュが大切であることが分かりますね。
利回りが30%なんてあるのかよ!という声があるかもしれませんが、ビットコインの2021年から2026年の4-year CAGR(4年平均成長率)は10-90%の間で推移しており、実際あり得ないとはまったく言い切れない値です。
自分が理解できる領域への集中投資
投資対象への理解度は非常に重要でした。
当時、投資対象の中で、自分が一番理解しやすい設計だと思ったビットコインに集中投資したことで、価格変動時にも一定の判断軸を持つことができました。さきほど「スタートダッシュ」のところでも述べましたが、分散投資も重要ですが、初期フェーズでは「自分が理解している分野で大きく取りにいく」ことも有効だったと考えています。
握力(暴落局面でも退場しない力)
大きなリターンを得るためには、暴落局面でも市場に居続ける握力が不可欠でした。
ビットコイン暴落や市場全体の悲観相場では精神的負荷も大きかったものの、自分なりの理解と長期的な確信があったことで退場せずに済みました。
短期的な恐怖に負けず保有を継続、むしろ買い増しをしたことが、最終的な資産拡大につながりました。
市場サイクルの理解
社会人になり投資を本格的に開始する前、学生のうちにビットコインの上昇相場だけでなく、暴落・停滞・回復を経験したことも今回の成功の大きな要因でした。
市場には必ず波があり、短期的な価格変動に一喜一憂するよりも、大局的なサイクルを理解して行動することが重要であるということを頭で理解していても、実際経験しているかいないかで大きな差がでると考えます。やはり投資は額に関係なく、市場自体に早めに触れておくのが良いと思います。
まとめ
資産形成において特に重要だったのは、以下の要素です。
- 入金力
- 初期の大胆なスタートダッシュ
- 理解できる領域への集中投資
- 暴落局面でも退場しない握力
- 市場サイクルの理解
資産1億円達成は、単なる幸運ではなく、これらを積み重ねた上に幸運が降り注いだ結果でした。
そして本当の意味で重要だったのは、資産形成そのものよりも、その先にどんな人生を選ぶかを考えられる状態に、早期になれたことだと感じています。
資産1億円というのは、単に数字の区切りであるだけで、まだFIREには早い状況ではあるのですが、一方でゼロから1億円よりも、1億円から2億円の方が難易度ははるかに低いようにも感じています(油断大敵ですが)。
今後も着実に投資を続け、情報発信などしていけたらと思います。ここまで記事を読んでくださりありがとうございました。本日はこの辺で。

